遠戚の娘の結婚式を翌日に控えて

一昨年、晩秋の宵闇が深く水色となって四周をつめたく冷やす頃、私は名古屋の空港に降り立った。遠戚の娘の結婚式に出席するためだ。到着口で私を待っていてくれた彼女の妹は、すっかり大人の雰囲気を身に付けていた。深緑のキルティングコートに白のジーンズを合わせ、膝まである黒のブーツを履いている。肩まで伸びた黒髪が、ホールに差し込む柔らかな陽光に照らされ、キラキラと輝いていた。「今日はわざわざ名古屋まで遠路遥々お出で下さり、ありがとう御座います」深々と頭を下げられ、恐縮してしまった。「これからホテルへ案内しますけど、宜しいですか?」予想以上の歓待に、日頃の疲れも吹っ飛んだ。ホテルに向かうタクシーの中に、彼女の付けた仄かな香水が充満し、少なからぬ昂奮を覚えた。「明日十時にお迎えに上がりますので、今日はゆっくりと休んで下さい」彼女の残り香が、いつまでも私の鼻孔に纏わりついて離れない。ホテルの部屋に入るや否や、不謹慎な考えが私の頭に浮かんでしまった。取り敢えず着替えを済ませ、ルームキーをフロントに預けて、ネオンの明滅する中洲に向った。目指すは、性感エステ一直線。女性の柔肌に触れたくて・・・頭の中はそればかり。それから、時の経つこと一時間。ソープの匂いをぷんぷんさせて、名古屋の街に繰り出した。

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