七年ぶりの再会

水のように澄み切った秋空が、気が遠くなるほど高く晴れ上がった十月下旬、私はJR名古屋駅のプラットフォームに降り立った。商談相手が軽く手を振り、相好を崩しながら近寄ってくる。七年ぶりの再会だ。お互いの頭には白いものが目立ち始めていた。駅構内のコンコースも改装され、時代の流れを感じさせる。西口の改札を抜け、タクシーを拾って彼の会社へ向かった。車窓を流れる街の雰囲気も何だか変わったような気がする。それは、そうだろう。あの大震災があったのだから。商談相手の会社も本社ビルが傾き、半年余り仮社屋での勤務を余儀なくされたらしい。新装なった本社ビルに到着し、最上階の社長室で仕事の話を手っ取り早く済ませると、「さぁ、久し振りの仙台だろ。街へ繰り出すか?」「そんな、まだ三時を回ったばかりですよ」「何を言っているんだぁ、これを楽しみに来たくせに(笑)」 こちらの気持ちを見透かされ、ちょっと極まりが悪かったが、彼の誘いを無碍に断る理由もないので、お言葉に甘えて便乗させて貰った。十年前にも連れて来てもらった美味しい牛タン店で舌鼓を打ち、お洒落なバーで旧交を温め、やっぱり最後は国分町のソープへ繰り出した。「今夜は、いい女性(ひと)を予約してあるから・・」ニヤリとほくそ笑んだ彼の真意も分からずに、欲望の赴くままに待合室で鼻の下を伸ばしてソファに座っていた。「お待たせしましたぁ~。△△で~す」紫色のカーテンがパァーと開けられた。「あぁ~、あの時の・・」その女性(ひと)は、七年前も名古屋の違うソープでお世話になった人だった。

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